成年後見

徹底解説!成年後見制度の内容を知ろう

成年後見制度というものをご存じでしょうか。その人の代わりに金銭等の管理を行い、生活全般にかかる必要な意思決定を代行・支援する制度です。

精神的な障害がある人にとってはとても重要な制度です。この記事はそんな成年後見制度について分かりやすく説明していきます。

 

成年後見制度の概要

”成年後見制度”とは意思能力が一般の方に比べ劣る方の「対取引の安全」を守るためにある制度です。

具体的には意思能力が一般の方より劣る方を”制限行為能力者”といいます。ここでいう”意思能力”は自分の行った行為の意味を理解できているかの能力です。(例:店で買い物をしたら店を出る前に会計を済ませなければいけないと理解できているかどうか)

上記の制限行為能力者は、「物事に正常な判断をどれだけ下すことができるのか」でさらに種類が分けられます。

成年後見制度で出来る主なことは、成年被後見人(制限行為能力者)がおこなった法律行為を成年後見人が”取り消すことができる”というものです。つまり成年後見が「私が持っている土地を1万円で全部あなたに売ってあげる」という無茶苦茶な契約を他人と結んでしまっても、成年被後見人が後からその契約を取り消すことができるのです。

正常な判断を下しづらい成年後見の利益を守るために”成年後見制度”というものはあるのです。

 

成年後見制度の種類

成年後見制度は、補助・保佐・後見がある「法定後見制度」とあらかじめ本人が元気な内に自分の意思で代理人を決めておく「任意後見制度」の二つがあります。

さらに制限行為能力者は、「物事に正常な判断をどれだけ下すことができるのか」でさらに種類が分けられます。

・制限行為能力者の方が【常に物事を判断する能力がない】場合、その方は”成年被後見人”になりえます。(民法7条)

・制限行為能力者の方が【物事を判断する能力が著しく不十分】な場合、その方は”被保佐人”になりえます。(民法11条)

・制限行為能力者の方が【物事を判断する能力が不十分】な場合、その方は”被補助人”になりえます。(民法15条2項)

三種類のなかで”成年被後見人”は重い精神上の障害を持っていることが多いです。反対に”被補助人”が三種類のなかでは軽い精神上の障害を持っていることが多いです。

 

成年後見制度のメリットとデメリット

成年後見制度は”成年被後見人”や”被保佐人”、”被補助人”となった人が利益を損なってしまわないように保護する制度です。”成年後見人”や”保佐人”、”補助人”となった人は当然彼らのことを気にかけて生活しなければなりません。

具体的には定期的に自宅に訪問したり電話で変わったことがなかったかを確認する必要があります。また、通帳などを確認して大きなお金が動いていないかも確認します。

”被保佐人”や”被補助人”が勝手に何かの契約を結んだ場合、契約相手から「こういう契約を結んだのですが問題ありませんか」と伺いを立てるハガキなどの郵便物が送られてきます。ここで返信を行わなければその契約を追認したことになるため(民法20条1項)気を付けなければなりません。

 

成年後見制度で安心を守ろう

成年後見制度は現代社会において精神障害を持つ人にとってなくてはならない制度です。端的に表すならば利益を損なわないために自分の代わりにお金を管理してもらう制度といえるでしょう。

自分もいつかお世話になる制度かもしれません。そのため、知っておいて損はない制度でしょう。