成年後見

これで完璧!成年後見人手続きの方法

成年後見人制度は、本人を金銭的なトラブルから守り、安心して生活を送ることができるようにするものです。成年後見人手続きをするにあたり、書類の準備や家庭裁判所による面談など、行わなくてはならないことが様々あります。今回は、成年後見人制度を利用するための手続きを、順を追って説明します。

 

家庭裁判所へ申し立て

成年後見人手続きをするには、本人が居住している地域の家庭裁判所へ「後見開始申立」を行う必要があります。本人以外が申し立てを行うには、家族または四親等以内の親族の中から一人を「申立人」とします。該当者がいない場合は、市町村長などが行います。まず、申し立てに関する必要な書類は、申立書です。これは、家庭裁判所で無料配布されている決められた書式を指します。また、申立人の戸籍謄本一通、本人の診断書、登記事項証明書、戸籍謄本、住民票又は戸籍の附票が各一通ずつ必要になります。他にも、成年後見人候補者の身分証明書、登記事項証明書、戸籍謄本、住民票又は戸籍の附票が各一通ずつと申立書付票が必要です。可能であれは、本人に関する報告書を用意しましょう。多くの書類が必要となり、不備があると時間がかかるので、前もって念入りに準備しておくようにしましょう。

 

調査や確認

申立書などの必要書類が受理されたら、家庭裁判所の調査官による調査や確認があります。本人、申立人、成年後見人候補者は、家庭裁判所に行き、調査官との面談を行います。この面談では、成年後見を立てる理由、本人の財産や経歴、病歴などを確認します。また、本人の家族へ対しては電話や書面で、事実確認、後見人候補者が適正な人物であるかどうか、親族間でもめごとはないかなどの確認があります。また、家庭裁判所が本人の自立生活能力や判断能力などを確認するために必要と判断した時は、専門医による精神鑑定が実施されることもあります。なお、この面談における成年後見人候補者には補助、保佐も含まれており、各権限の内容や同意の確認が行われます。

 

決定通知の受け取り

家庭裁判所の面談や調査、確認が終了したら、裁判官は申立についての審判を行います。審判による決定内容は、申立人と後見人に「審判書」として郵送で送られます。この審判書に対して、2週間以内であれば不服を申し立てることが可能ですが、2週間以上不服申立をしなかった場合は、そのまま審判が確定となります。確定した審判決定事項は、東京法務局へ登記されることになり、後見人は一ヶ月以内に、本人の財産目録を家庭裁判所に提出します。また、その後も後見監督人や家庭裁判所へ定期的に、本人の財産状況や健康状態などの報告が必要となります。

 

申立てから決定までは約2カ月

一般的に成年後見人の申立てから決定までの期間は、約2~3ヶ月程度です。ただし、管轄裁判所や事案内容などによりその期間は多少異なります。なるべくスムーズに決定するために、制度の知識を蓄え、前もって入念な準備をしておきましょう。