相続登記をしないで長期間放置するとどうなる?期限とデメリットを解説
相続登記の期限は法律で決められていません。しかし、相続登記をしないで長期間放置した状態でいると、法律関係が複雑になり、本来スムーズにできたはずの登記が困難になる可能性があります。以下、相続登記について簡単に解説したうえで、放置した場合のデメリットについてみていきます。
相続登記とは
相続登記とは、正確には、相続による所有権移転登記のことをいいます。不動産の所有者が亡くなった場合に、その不動産の所有権の名義を亡くなった方(被相続人)から相続人へと変更するための手続きです。
相続登記は、相続人が申請人となって、相続する不動産の所在地を管轄する法務局に申請して行います。登記の申請には、申請書を作成し、戸籍謄本や住民票の写しなどの必要書類を収集しなければなりません。登録免許税の納付も必要になります。
相続登記には、法定相続分による相続登記、遺産分割による相続登記、遺言による相続登記の3種類があり、それぞれ申請書の内容や必要書類が異なります。
相続登記の期限
相続登記には、いつまでに行わなければいけないといった期限はありません。期限がないということはそのまま放置していても法律上、罰則が科せられることも当然ありません。そのため、不動産の所有者が亡くなった後、相続登記がされないまま長期間放置されているというのはよくあるケースです。相続登記には登録免許税が発生するうえ、手続きが面倒だという理由でついつい登記を怠ってしまう人が多いようです。しかし、後述するように相続登記をいつまでも放置したままでいると、手続きが困難になったり、相続トラブルに巻き込まれたりするので注意が必要です。
相続登記をしないデメリット
相続登記をしないデメリットとして、まず、相続した不動産の売却や賃貸、ローンの設定など有効な処分をすることができません。
次に、相続登記を何代にもわたって放置したままでいると、相続人にさらに相続が発生して手続きが複雑で面倒になってしまいます。相続人が増えれば増えるほど血縁関係も希薄化していき、そうなると遺産分割協議がまとまらず相続トラブルに発展する可能性が生じます。
そのほか、相続人の中に認知症が発症した者が現れれば、そのままでは遺産分割協議ができないので、成年後見人等を選任するといったひと手間が必要になります。
相続登記はできるだけきちんと済ませて
相続登記に期限がないからといって長期間放置していると、手続きが困難になり、ひいては相続トラブルに発展する可能性があります。また、売却や賃貸等もできないため、できるだけ早いうちに相続登記を済ませておくのがおすすめです。