不動産相続

三菱ufj銀行名義の抵当権付き不動産の相続について

相続した家や土地に抵当権が設定されているかどうか、きちんと確認する方は少ないかもしれません。しかし、相続した不動産に抵当権が設定されている場合、債務が残っていることが考えられ、その債務も相続することになってしまう場合もあるのです。

 

抵当権と不動産の名義変更の必要性とは

 

抵当権の債務が少額ですぐに返済できる場合は、抵当権を消すことができます。その時に行うのが抵当権抹消登記です。また、債務が多額で相続人が引き継ぐ場合も抵当権の変更登記が必要となります。抵当権を抹消するにしても変更するにしても、申請人はその不動産の所有者である持ち主と抵当権者である銀行です。そのため所有者に相続が発生したら、相続人に名義変更をしなければなりませんし、抵当権者が合併などで変更していたら名義変更などをして正しい銀行名に登記しなければならないのです。申請人が正しく登記されていないと、その後に申請したい登記自体ができないことになり、却下されてしまうからです。

 

相続不動産に抵当権が設定されている場合の手続き

 

相続不動産に抵当権が設定されていたとき、通常は遺産分割協議により、不動産を相続する人と債務を相続する人を明確にする必要があります。但し、債務者が第三者だった場合はそのままです。まず、不動産を相続する人へ相続による所有権移転の登記をします。そして、その所有者と抵当権者の銀行で債務者の変更登記をします。もし、相続財産で債務を弁済するのが可能であれば、相続による所有権移転登記の後、抵当権抹消の登記をすることも可能です。また、債務が多額のときや、抵当権がいくつも設定されている場合などは、相続放棄することも一案になります。ただし、相続放棄は相続財産全体に対してしなければならないので、注意が必要です。

 

三菱ufj銀行名義の抵当権付き不動産を相続した際の手続き

 

三菱ufj銀行名義の抵当権の登記をする場合、確認が必要なのは、抵当権者の名称です。三菱ufj銀行は近年合併などを繰り返し行っているため、社名が何度も変更されています。そこで、抵当権者である銀行の名義変更登記をしなければなりません。三菱ufj銀行は、もともと三菱銀行と東京銀行が合併し、これに三和銀行と東海銀行が合併したufj銀行が加わったため、これらの名称で設定されている抵当権は全て三菱ufj銀行への合併による抵当権移転の登記、つまり名義変更が必要です。抵当権は家を建てた時などに担保として設定される場合が多く、古い銀行の名称で登記されている場合がほとんどなので、こういった手続きが必要になってきます。

 

まずは不動産の実態を把握することから始めよう!

 

このように、抵当権付きの不動産に相続が発生した場合、注意すべき点が多々あり、手続きが複雑な場合が多くあります。ですから、まずは登記事項証明書(登記簿謄本)で不動産がどのような状態にあるのかを確認することから始めると良いでしょう。登記事項証明書には、甲区、乙区があり、甲区には所有者に関する事項、乙区には抵当権に関する事項が書かれてあります。乙区には抵当権者である銀行の名称や債権額、債務者などの情報が書かれているので、乙区を一度確認してみましょう。