相続した不動産を売買する際の流れ
不動産を取得したときは、所有者であることを証明するために登記を行わなければなりません。では相続した不動産を売却したいと考えている場合、登記はどのように行っていけばいいのでしょうか。売買の流れを確認してみましょう。
相続した不動産を売るための手続きとは
不動産は持ち主が変われば名義を変更しなければなりませんが、名義の変更には費用がかかります。そのため不動産を相続した場合、亡くなった被相続人名義のまま売却することができれば、名義変更が1回で済むので費用を抑えることができます。しかしこれは無理なのです。相続した不動産を売却するときは、必ず被相続人の不動産名義を相続人の名義に書き換えなければなりません。
相続した不動産を売却するときは、まず相続人同士が話し合って不動産の新たな持ち主を決定し、被相続人から相続人に名義を書き換える相続登記を行います。そして不動産を売りに出し、売買契約後に相続人から不動産を取得し買手に名義を書き換える所有権移転登記を行う流れになります。
相続登記と所有権移転登記の連件申請とは
相続登記を済ませていなければ、売買による所有権移転登記を行うことはできません。しかし2つの登記を同時に行うことが可能です。このように複数の登記をまとめて行うことを連件申請といいます。
連件申請を行うと、住民票や戸籍謄本など、それぞれの登記で必要になる書類を1部で済ませることができるので、手間を大きく省くことが可能です。
連件申請を行うには、添付書類の書類名が書いてある後に「(前件添付)」、「(後件添付)」と記入し、申請書類一式を重ねて提出します。重ねた時に上になるものから順番に処理されるので、順番を間違えると取り下げや補正になってしまい、登記を完了させることができないリスクがありますので不動産を売却する前に事前に相続登記を完了させるケースがほとんどです。
相続登記と所有権移転登記は自分でできる?
相続登記や所有権移転登記は、自分で行うことも可能です。その場合、専門家に支払う費用を節約することができます。ただしこれらの手続きには登記申請書の作成やいろいろな書類が必要となるため、それらを自分で取集、作成する手間を考えなければなりません。特に相続登記に必要な書類は種類が多いので大変です。一度自分で挑戦してみて、難しいようなら専門家に依頼するという方法もあります。
不動産売買では、不動産仲介会社によって登記手続きを行う司法書士を指定してくることがほとんどですが、自分で司法書士を選定することも可能です。ただ、自分自身でやりたいと言っても、登記をキッチリと完了させられないなど、売主や買主など関係当事者のリスクも大きいため却下されることが多いので、不動産の案内を受けた段階で確認しておくといいでしょう。
手続きの流れを意識しよう
普段接しないだけに登記と聞くと難しく感じてしまいますが、不動産の売買を考えているのであれば絶対に必要になる手続きです。自分自身の権利を守るためにも、分からないときは司法書士などの専門家の力も借りながら登記について理解し、適切な手続きを行っていきましょう。