相続登記解決事例

マンションの名義が10年前に亡くなった夫のままに…子どもがいない夫婦と代襲相続が絡む複雑なケース【解決事例・相続登記】

 

大阪市で相続登記のご相談をいただいた事例をご紹介します。
今回のご依頼は、「10年前に夫が亡くなり、妻がそのまま住むマンションの名義変更をしたいが、相続人が疎遠な甥・姪を含め7人に及ぶ複雑なケース」でした。ご相談いただく中で子どものいないご夫婦も多く、兄弟・甥姪が相続人となる事例は意外とよくあります。

1.ご相談の背景(大阪市在住)

ご相談者は大阪市内のマンションにお住まいの奥様。
夫婦にお子様はおらず、ご主人の兄弟3人のうち、2人はすでに他界していました。このため、法定相続人は次のとおり複雑化していました。

  • 配偶者(妻)
  • 夫の兄1名
  • 亡くなった兄2名の子(甥・姪)合計5名が代襲相続人

結果、相続人7名という状況に。

甥・姪とは長年疎遠で、連絡先も把握しておらず、
「疎遠になっている相続人とのやり取りが精神的にしんどい」
「この状態で本当に相続登記ができるのか」
「自宅マンションに住み続けたいが、手続きに協力してもらえるか不安」
と強い心配を抱えられていました。

2.相続人調査からスタート:複雑戸籍の収集

まず当事務所が行ったのは、大阪市・他府県にまたがる戸籍調査

  • 夫の出生から死亡までの戸籍を収集
  • 兄弟3名の生死確認
  • 亡くなった兄2名について、出生から死亡までの戸籍を収集し、その子である甥・姪の戸籍を追跡
  • 住所地特定のための戸籍の附票の取得

亡くなった方3名を含めての7名分となると戸籍の量も膨大になります。
疎遠な相続人であっても、法律上の相続人である以上、1人でも欠ければ相続登記はできません

当事務所がすべて一括して代行することで、奥様への負担は最小限に留まりました。

3.相続関係説明図を作成し、相続分を整理

戸籍調査の結果、法定相続分を整理すると、次のようになりました。

  • 妻:4分の3
  • 兄:12分の1
  • 甥姪たち5名:各12分の1をさらに人数割り

単純ではありますが、人数が多いと調整が難しくなる典型例です。

4.疎遠な相続人との連絡・書類取りまとめ

当事務所が窓口となり、6名それぞれに

  • 相続の状況
  • 必要書類
  • 遺産分割の内容

を丁寧に説明し、相続人間で紛争性がなく、協力してもらえそうなため、全員の印鑑証明書及び署名押印を得ていきました。

疎遠であっても、こちらが専門家として対応することで、
「説明がわかりやすかった」
「トラブルを避けたいので協力します」
と円滑に進み、無事に遺産分割協議書が全員分揃いました

5.遺産分割協議:妻単独名義へ

相続人全員が、妻が住み続けることを尊重し、

「不動産は妻が100%取得する」

という内容でまとまりました。

協議成立後、必要書類を準備し、大阪法務局へ相続登記を申請。
約3週間で無事に奥様単独名義への変更が完了しました。

6.今回のポイント

  • 子どものいない夫婦は、兄弟・甥姪が相続人になる
  • 兄弟が先に亡くなっていると代襲相続が発生
  • 疎遠であっても相続人の同意は必須
  • 相続人7名と多くても、司法書士が手続きすればご本人の負担が少ない
  • 住まいを守るためには、早めの登記・準備が重要

ご依頼いただく案件で兄弟相続・甥姪相続は珍しくありません。
「うちは子どもがいないから簡単に妻が相続できる」と思っている方は要注意です。

7.事務所からのアドバイス:遺言書作成の重要性

今回のケースは、相続人7名の協力が得られたことでスムーズに解決しました。
しかし、もし1人でも同意しなければ、遺産分割協議は成立しないため、さらに困難を極めることになります。

特に子どものいないご夫婦は、必ず次の対策をおすすめします。

遺言書を作成しておくメリット(特に公正証書遺言をおすすめします)
  • 配偶者へ確実に相続させられる
  • 兄弟・甥姪が相続に関わらなくなる
  • 遺産分割協議が不要になる
  • 相続手続きが大幅に簡略化
  • 紛争の芽を事前に摘める
  • 認知症対策としても有効

今回の奥様も、手続き終了後に
「こんなに大変だとは思わなかった。夫に遺言を書いておいてほしかった」
とお話しされていました。

子どものいないご夫婦は、必ず遺言書の作成をおすすめします。

8.まとめ:複雑な相続ほど専門家へ早めの相談を

兄弟相続・甥姪相続は「よくあるのに大変」という典型的な相続です。
相続人が多いほど、話し合いや戸籍収集も難しくなります。

今回のご依頼も、
相続人7名 → 遺産分割 → 妻単独名義へ変更
という複雑な流れでしたが、司法書士がサポートすることで円満に解決しました。

※なお、相続人間で紛争性があるような事案では司法書士が遺産分割協議の交渉をすることはできません。

大阪で相続登記にお悩みの方は、大阪相続相談センター(天馬司法書士事務所)までお気軽にご相談ください。

※本ページに掲載している相続手続きの解決事例は、実際の相談内容をもとにした架空の事例です。個人や法人の特定を目的としたものではありません。大阪地域での相続手続きの一般的な手続きの流れや注意点の参考としてご覧ください。